中部地方


名物はなんといっても、団地へつながる斜行エレベーター。

10.6.13執筆


斜行エレベーターの通行路。途中にあるドアは基本的には開かないようだが…。


エレベーター内部に取り付けられているテレビモニター。
映っていたのは…「大津波警報」!!


コモアしおつ。写真右がスーパーマーケット。空き地も目立つ。


四方津駅舎。団地にそぐわない小さな駅舎である。
 中央線で高尾から4つ目。ここは既に山梨県内に入っている。E233系も東京から乗り入れ、まだまだ東京からの通勤圏内に入る地域だ。四方津駅は、南北を山に囲まれ、その山の上に「コモアしおつ」という団地が形成されている。駅と団地との高低差が大きく、団地に入るための道は大きく遠回りをする形になっており不便である。そこで作られたのが、駅前と団地とを結ぶエレベーターとエスカレーター(通称・コモアブリッジ)である。エスカレーターはラッシュ時のみ運転され、日中の閑散時間帯は2台のエレベーターのみが往復している。
 …と、ここまで聞いただけでは「だから何?」と話が済まされてしまうかもしれないが、実はこのエレベーター、なんと斜めに動くのである。つまり、普通なら上下に移動するかごが、扉と平行に斜めに動くのである。左の写真を見てもらえれば一目瞭然だが、構造は通常のエレベーターとは全く異なり、かごを引き上げるワイヤーがかごの下を通る形で、ケーブルカーに似るものがある。
 エレベーターに乗ってみると、内部は至って普通のエレベーター。ところがボタンを見てみると、階数のボタンではなく「上」「下」のボタンが。ボタンを押してドアを閉めると、エレベーターはゆっくりと動き出した。
 所要時間は約4分。普段エレベーターを使う身にとってみれば、あまりにも長い時間だ。この退屈な時間をつぶすため、内部にはテレビモニターも設置されている。
 頂上にたどり着くと、確かに団地が広がっていた。コモアブリッジを出るとまずスーパーマーケットがあり、買い物は済ませられる。団地内には小学校もあり、日常生活はこの範囲内で送れるようだ。
 とはいえ、場所が場所ゆえに空き地も目立つ。家を買う資金と定期代と、どちらをとるかといえば答えは明らかだろう。日本にはこんな団地が無数にある。