北海道


特急停車駅の中でもっとも人口の少ない自治体にある音威子府駅

10.10.15執筆/10.10.17修正


閉塞方式が仇して、特急接続待ちに長時間の停車を要する。
だが北海道という土地柄、いらいらすることもなくのどかな時間が流れる


これは何だ!
 音威子府村は、特急が停車する自治体の中でもっとも人口が少ない村である。だが村によって建て替えられた駅舎は非常に立派で、もちろん有人駅をキープしているしみどりの窓口もちゃんとある。
 構内は、単式ホーム1面+島式ホーム1面の計2面3線で、その外側にももう一つ留置線がある。筆者の乗った旭川発稚内行き普通列車は、ここでスーパー宗谷との交換のために長時間停車する。名寄方面へ向かう普通列車ともここで交換だ。
 宗谷本線のこの区間は「特殊自動閉塞式」を採用しており、先行列車が次の場内信号機のある駅に着かないと後続は発車することができない。そのため、特急の待ち合わせをするためにはかなり早めに待避を完了していなくてはならず、結果として北海道おなじみの長時間停車が発生する。その間に、駅を散策することにした。
 2つのホームを結ぶ跨線橋では、宗谷本線の歴代の写真が多数展示されていた。国鉄民営化のあおりはここ北海道で強く受け、数多くの路線が特定地方交通線に指定、唯一残った智北線を除き、3セクへ転換する余地もなく容赦なく廃止された。ここ音威子府から分岐していた天北線もその一つ。駅舎には資料室が併設されていた。
 ホームへ戻って散策。跨線橋には古いレールが使われている。除雪機がホームに置かれているのは雪国ならでは。…それだけではなかった。かの留置線に黄色い除雪車が置かれているのだが、その模様が…! なぜわざわざこんな「怖い顔」にする必要があるのだろうか…。
 やがてスーパー宗谷が入線。やはりわずかの乗降客の乗り降りを終えると、何事もなかったかのようにホームが静まりかえった。そうこうしているうちに、稚内へ向かう普通列車も出発の時がやってきた。