北海道


札沼線の終着駅。小さな駅舎に迎えられた

10.10.16執筆


かつては留萌本線まで線路が延びていたのだが…
 札沼線は、札幌市内はラッシュ時の乗車率がゆうに100%を超える一大通勤路線であるが、石狩当別や北海道医療大学を過ぎると急にローカル線と化す。浦臼以北は一日3往復しか運転されず、岩泉線並みの閑散線区になっている。その終着駅が、ここ新十津川である。
 新十津川は、石狩川を挟んで滝川駅と対岸の位置関係にあり、滝川の市街地の延長として、住宅地・工業地が広がっている。恐らく、このあたりの住民にとって札沼線はほとんど役立たずで、滝川までバスで移動して函館本線を利用しているに違いない。それでもそんな閑散駅に訪れようと試みるのが鉄ちゃんである。
 札沼線はもともと、留萌本線の石狩沼田まで路線が繋がっていた。それゆえ路線名も「札沼」になっているのであるが、末端区間廃止後は路線名が意味をなさなくなった。そこで代替として、沿線に教育機関が多いことから「学園都市線」という愛称がつけられ、案内等は原則としてこの名前を使っている。札沼線の名前が残るのは、せいぜい時刻表の中だけになってしまっている。
 札沼線は、市内区間の電化が予定されている。電化後もこの末端区間は非電化のまま残されることになっているが、可部線と同じような運命をたどることになるのではないかと今から心配事ではある。