北海道


夕張市が管理する駅舎。観光案内所やイタリアンカフェが入居

11.2.12執筆


発車を待つキハ40の普通列車
 夕張メロンでその名を全国に知らしめる夕張市。石勝線・夕張支線の終点夕張駅は、その夕張市役所のある市の中心部から1キロほど南に位置している。
 炭坑の町として発展を図ろうとした夕張であったが、エネルギーの中心が石油へとシフトしたことで次々に閉山。2度の駅移転を経験し、路線が徐々に短くなりながら現在の場所に落ち着いている。
 駅のバックにそびえ立つ大きな建物は、スキー場に併設されたホテル・マウントレースイ。ここで乗車券の委託販売も行われている。1990年から使用されている駅舎はきれいに整備され、案内所やイタリアンカフェなど、観光を意識して改装も施されたそうだ。
 だが、中に貼られた「夕張夫妻」のポスターが痛々しい。夕張市は、事実上財政破綻し財政再建団体として国の管理下で再建をすすめていることでも知られている。「金はないけど愛はある」…”負債”を“夫妻”にかけたこのキャラクター。離婚件数が日本一少ない市というのは人口のせいだとは思うが、その窮状は伝わってくる。
 再建の波の影響は、市が管理する駅舎にも出た。維持費がまかなえないとして便所が閉鎖された時期もあった。今でこそ民間により支援を受け存続しているが、国民の力なくして夕張の再建はないように思う。千歳からさほど遠くない利点を売り込み、北海道の一リゾートとして復活を果たしてほしい。