関東地方


9000形導入にあわせて荒川線第1号のレトロ停留所として整備。
花咲く電停として関東の駅百選に認定されている

11.3.8執筆


ブリキの看板、時計埋め込みの停留所標…これは凝ってる!

 東京最後の都電・荒川線。最近は路面電車ルネッサンスの波に乗って、新型車両の導入が進んでいる。その中に登場したのが、2両在籍しているレトロ電車「9000形」である。路面電車の価値が見直される中、電車を中心にした町おこしの一環として、この車両の投入に合わせて、2007年に荒川線の始発電停である三ノ輪橋をレトロ調にリニューアルしたのである。
 三ノ輪橋電停は、春には美しいバラが咲く駅としてその名を全国に行き渡らせ、関東の駅百選のひとつにも認定されている。その花咲く電停のイメージと相まって、都電全盛時代の雰囲気に浸れるのに最高の電停になった。
 乗車ホームと降車ホームが斜向かいに置かれている電停。全盛期によくあった、時計埋め込み形の電停名標が使われている。さらに、乗車ホームの脇には、数々のロングセラー製品の実名広告が。亀の子束子、オロナミンC、ボンカレー、金鳥の蚊取り…。実際に昔そのデザインの広告があったかどうかは知らないが、レトロ感を引き出してくれる大切なアクセサリーになっている。

 経済成長の時代、東京を縦横に走っていた都電。27系統荒川線は、21世紀に残されただけでも幸運で、日本の復興と成長の生き証人としてこれからも活躍して欲しい。