関東地方


古い歴史を誇る木造駅舎。改修を重ねながら大切に使われている

11.2.12執筆


青梅市は東京国体でカヌー競技の開催地に。
この日も多摩川で練習する姿がみられた

 御岳山をはじめとするハイキングの出発点、御嶽駅。休日にはホリデー快速が新宿から直通でやってくる。
 駅の歴史は、昭和4年(1929年)に青梅電気鉄道として開業したことに始まる。年季の入った木造駅舎は神社の本殿をイメージしたもので、時代のニーズに応えて改修を重ねながら現在でも使用されている。
 正面の重い扉を開けると、開放的な待合室の空間が広がる。改札を抜けて階段を上がると、広々としたホームが。普段はその広さゆえ閑散として見えるが、初詣の時期は大変な混雑になる。

 駅前を青梅街道が走り、それに沿うように、東京人の水源である多摩川が流れる。大都会で知られる東京であるが、ここまで来ると川も中流域。急な流れを利用して、カヌーの練習をする姿がみられた。2013年の東京国体では、ここ青梅市がカヌー競技の開催地となる予定になっている。

 都民の気軽なハイキング地として知られる御嶽。健康志向か、登山がブームになって利用客は増加傾向にあるという。平成という時代を感じさせない駅に、日常の焦燥を忘れたい人々が今日も訪れる。