関東地方


山の急斜面を走る線路とホーム。それでもここは東京です

11.2.21執筆


国鉄式駅名標が今でも残る


最新型通勤車E233系が到着。
写真左の待合室は、老朽化のため建て替え予定

 立川から続く青梅線の終点・奥多摩の一つ手前、静かな山の中にぽつりと佇む駅が、白丸駅である。
 日本の首都・東京都も、多摩西部は山地。最高所である雲取山に至っては、標高が2000mを超えるという、地形の変化に富んだところでもあるのだ。
 駅は、川が形成する谷にそって作られた急な斜面に設置されていて、すぐ横を走る青梅街道も、急坂を100mほど下ったところにある。有効長4両分のホームは緩やかなカーブで、奥多摩方にはすぐトンネルがあり、とても東京都内の駅だとは思わせない、山里の風景が広がっている。国鉄式の駅名標も健在だ。

 急な斜面にあるため周辺の民家も少なく、1日の利用客は100人にも満たない、青梅線の中でももっとも小さな駅の一つ。それでも、立派な木造の待合室と、町が管理する便所など、駅のしての設備に不足はない。Suicaのエリア内であるから当然簡易端末も置かれている。

 やってくる電車は最新型のE233系。完璧なローカル線の駅でありながら、都会の余韻をも感じさせるというなんとも不思議なバランスの駅。日常の焦燥を忘れて、都心から短時間で行ける里の風景の中、軽い散策はいかがだろうか。