中部地方


土合と異なり、上下線ともトンネル内。はくたかが高速で次々と通過する

10.8.18執筆/10.10.13修正


地上へつながる階段。
駅員さんは列車到着の度にここを昇り降りしている


駅舎。駅前は閑散としているが集落が近く、有人駅となっている


駅側近の筒石川に沿って形成された断崖絶壁。
かつて海中であったことを示す地層らしい

 糸魚川市、JR西日本管内にある北陸本線のトンネル駅。同線を頸城トンネルの新線に付け替える際、筒石駅が地下駅となった。
 そういった経緯から、筒石は土合と異なり、上下線とも地下にホームがある構造となっており、地上とをつなぐ階段は、下り290段、上り280段。ある程度の利用者があるため有人駅となっており、駅員さんは列車の到着の度にこの階段を昇り降りしてホームの安全確認を行っている。ここは金沢・富山から越後湯沢へのはくたかの特急街道で、130km/hでこの駅も突っ走って行く。
 駅舎から階段を降りきったところにある待合室とホームとの間には、防風のための扉が設置されている。ほくほく線美佐島駅の場合、これが非常に頑丈な作りで列車到着時にしか開かない構造になっている。しかし頸城トンネルは複線であるためトンネル断面が広く、風の抜け道が多いためそこまで厳重な管理はされていない。いくらはくたかが高速で通過しようと、このドアを開けるどころかホームに出ても支障はない。無論ある程度の風を受けることになるが、感じるのは威圧感程度で、吹き飛ばされるといった恐怖感を味わうことはない。
 駅員さんはとても優しい方で、駅についての解説パンフレットをくださった。これを片手に駅を出て駅前散策を楽しむ。坂を下るとすぐ北陸道をアンダークロスし、左手に中学校、向こうには小さな漁港を望むことができる。一方、駅の横を流れる筒石川が形成した断崖絶壁に見える地層は、かつて海の底であったことを示すものであるという。

 暑い。列車到着までまだ時間があるが駅舎へ戻ってしまった。ホームへ降りていいのかわからずウロウロしているとまた駅員さんが話し掛けてくれた。やはり降りていていいらしい。ありがたく階段を駆け降りる。地下駅は湿度こそ高いものの、ひんやりとしていてそれなりに居心地よかった。

※JR西日本共通デザインの立派な駅スタンプもあるのでどうぞ。