奥多摩駅舎。青梅線の終点はこんな純和風駅舎である。
10.6.13執筆
青梅線と聞かれて、立川から奥多摩まで結ぶ路線、と答えればそこまで。立川という大都会から始まる路線の終点が、まさかこんな山中の駅だとは考えもしないだろう。もっともな話、新宿からここまで直通列車「ホリデー快速おくたま」が運転されるのは土休日だけ。日常生活とはあまりなじみのない奥多摩町の奥多摩駅だが、それでもやはりここは東京都内である。
乗り入れる車両は中央線でおなじみ純通勤形のE233系。そう、JR東日本が誇る最新型VVVF制御通勤車である。基本的に、この青梅線用編成の4連がのこのこ乗り入れている。かつては201系展望列車の「四季彩」による運転もあったが、同車の廃車によりその運転にもピリオドが打たれている。
しかし、そんな最新鋭車が走る路線だからといって馬鹿にしてはいけない。標高は343m、東京タワーより高いところにあるのだ。周辺の風景も、とても東京都とは思えない山の風景。都民に飲み水を供給する多摩川の水源も、ここ奥多摩町にある。
駅を出て川の方へ下って行くと、川沿いに遊歩道が整備されている。水流の生み出す音波とマイナスイオンが、都会人の心と体を癒してくれそうだ。
電車の運転は30分間隔。ここまで来ても電車特定区間内にあり、運賃は比較的安く設定されている。他の駅での途中下車もしながらホリデー・パスでの訪問もおすすめ。休日に行きやすい都会のオアシスだ。